見つめる先にはいくつもの彼らが在る
彼らの中にいくつもの景色を見る
行き来するまなざしを重ねて
繰り返す目覚めの際に僕は立つ
(田中大輔)
金柑画廊は、田中大輔写真展「ひとりの子どもに」を開催いたします。
今回の展示では、刊行予定の田中大輔写真集『ひとりの子どもに』から未発表を含めた作品を紹介いたします。場所や物にふと感じる息遣いのようなもの。田中大輔の写真を眺めていると、頭の中にそんなことが浮かびます。彼は詩情をとらえるのではなく、そっと差し出される具象の断片であり、純粋なイメージそのものをおさめようとしています。「イメージの先の肌触り、のような可能性が写真にも独自として存在し得る」(田中大輔)と信じる彼の眼差しは、冷たくてやさしい。
(金柑画廊|太田京子)
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トークイベント:調文明 x 田中大輔
2019.7.21 Sun 開場:15:30 / 開始 : 16:00
入場無料(+1ドリンクオーダー)
様々なフィールドワークも含め、これからの写真批評を担う存在でもある調文明氏をゲストにお迎えしてトークイベントを開催いたします。
調 文明
写真批評家/写真史研究者。1980年、東京生まれ。日本女子大学ほか非常勤講師。写真雑誌などで執筆。論文に「A・L・コバーンの写真における都市表現――三つのニューヨーク・シリーズを中心に――」(『美学芸術学研究』、2013年)、「ジェフ・ウォール――閾を駆るピクトグラファー」(『写真空間4』青弓社、2010年)など。『FOUR-D (No.05)』(2019年5月)に「自画像試論:セルフ・ポートレイトからオート・ポートレイトへ」、『装苑』2019年7月号に「独自性を放つ色彩の表現者たち 日本の写真作家と、色のはなし」を寄稿。